不動産はどちらがお得?個人購入か会社購入か?
不動産は個人で購入したほうが得?それとも会社で購入したほうが得?今日は考えてみましょう?
会社を持っていない方は素直に個人で買ってしまうでしょうし、もし会社を持っている方はどちらか買いやすい方、またはより資金に余裕がある(または借入をしやすい)方で買ってしまうかもしれません。
今回はより戦略的に購入する方法を考えてみることにします。すなわち保有、売却、相続などのシーンでどのように影響してくるかを総合的に考えることにします。
1.購入時
(1)投資用不動産の場合
個人購入の場合も、会社購入の場合も取得時のコストのうち不動産取
得税、登録免許税などの税金は購入時の経費になりますが、仲介手数料
は取得原価に算入されます。
損害保険料、借入金の金利、保証料等は期間に対応し経費算入されます。
(2)居住用不動産の場合
個人購入の場合、取得時のコストは経費にはなりません。ただし一定
の基準を満たすと不動産取得税、登録免許税については軽減措置があり
ます。また借入金で購入した場合、住宅借入金等特別控除の適用が受け
られる場合があります。
会社購入の場合、取得時のコストは経費になります。ただし経費を上
回る収益が発生していなければ意味はありませんが。
2.保有時
(1)投資用不動産の場合
個人であっても会社保有であっても経費にできる範囲はほぼ同じです
が、唯一異なるのは、個人所有の場合、事業的規模(一般的には5棟ま
たは10室以上が基準)でないと借入金の金利が全額は経費になりませ
ん。
(2)居住用不動産の場合
個人保有の場合、保有コスト(固定資産税、修繕費、借入金の金利)は
経費にはなりません。住宅借入金等特別控除の適用が受けられる場合は
ありますが。社保有の場合、保有コストは全額経費になります。なお会
社の役員が居住用として利用する場合、所得税で定められた一定以上の
家賃を支払えば経済的利益は発生せず、課税されません。
3.売却時
(1)投資用不動産の場合
個人購入の場合、保有期間が短期保有(5年以下)であれば39.63%、
長期保有(5年超)であれば20.315%の所得税・住民税が発生します。
会社購入の場合、保有期間に関係なく、通常の法人税等(資本金1億円
以下の法人の場合、実効税率は約34%)が発生します。なお不動産に占
める土地の金額により消費税等にも影響が出てきます。
会社購入の場合、もう一つ方法があります。不動産を保有する会社ご
と売却した場合は、会社の株式譲渡益に対して20.315%の所得税・住民
税で済むことになります。
(2)居住用不動産の場合
個人購入の場合、3,000万円の特別控除が適用になります。適用後の
譲渡益に対して、上記の保有期間に応じた税率で計算された所得税・住
民税が発生します。
会社購入の場合、発生した譲渡益に対して通常の法人税等が発生しま
す。なお不動産に占める土地の金額により消費税等にも影響が出てきま
す。
なお、不動産を保有する会社ごと売却した場合は、会社の株式譲渡益
に対して20.315%の所得税・住民税が発生します。
4.相続時
(1)投資用不動産の場合
個人購入の場合、事業用宅地等の相続税評価額の計算において、特例
計算(一定の評価減)が利用できる可能性があります。
この場合、不動産を会社で保有していた場合に比べ、相続税が少なくな
る場合もあります。
会社購入の場合、不動産の評価額は高くても、不動産の評価額によら
ない会社株式の評価方法が採用できる場合があり、不動産を個人で保有
していた場合に比べ、相続税が少なくなる場合もあります。
(2)居住用不動産の場合
個人購入の場合、居住用宅地等の相続税評価額の計算において、特例
計算(一定の評価減)が利用できる場合があります。この場合、不動産
を会社で保有していた場合に比べ、相続税が少なくなる場合もあります。
会社購入の場合、不動産の評価額は高くても、不動産の評価額によら
ない会社株式の評価方法が採用できる場合があり、不動産を個人で保有
していた場合に比べ、相続税が少なくなる場合もあります。
5.結論
個人購入または会社購入のそれぞれにメリットデメリットがあり、
一概にはどちらが有利かは判断できませんが、購入した不動産を将来
持ち続けるのか、それとも売却するのか?その時期はいつごろかなど
を勘案して、専門家に相談するのも一法です(私も含めて)(笑)